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裁判所からの労働審判の呼び出し、集団で押し寄せるユニオン、身勝手にふるまう問題従業員、等に立ち向かう日本の中小企業経営者支援のためのブロクです。
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森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916(注セクハラは被害者従業員からの相談も承っております。)
http://www.mori-law-roudou.com/


労働者を解雇するには「客観的合理性」と「社会的相当性」が必要ですが、この二つの要件を充足しても、いきなり解雇できるのではなく、30日前に解雇を予告するか、30日分の平均賃金を支払う必要があります。15日前に予告したら、15日分の平均賃金を支払うことになります。
もし予告手当も支払わず、いきなり解雇したら、解雇の効力は30日後に発生するというのが判例です。

ところが、労働基準法は、以下の二つの場合には、除外認定(労働基準監督署の認定)を受ければ、解雇予告を不要としています。
1、天災事変その他やむを得ない事由のため、事業の継続が不可能となった場合
2、労働者の責に帰すべき事由による場合
このうち、1は、問題ないと思います。

問題は2です。「責に帰すべき事由」というのは、日本語の意味としては、「何らかの落ち度がある場合」という意味ですから、「何らかの落ち度」があれば、除外認定を受けることができそうです。
しかし、解雇そのものが、何らかの落ち度があれば解雇できるというものではなく、客観的合理性と社会的相当性が必要で、実務的には、「解雇以外選択肢はないだろう」というレベルの落ち度が必要です。
こういうレベルの落ち度があって初めて解雇できる、しかし、それでも30日前に解雇予告をしなさいというのが労働基準法の規定です。
とすると、30日前の予告不要とする解雇は、「何らかの落ち度」があれば、言いというレベルでないことは確かです。
これについては、通達があり、
事業場内における窃盗・横領・傷害等の刑法犯に該当する行為のあった場合
賭博等により職場秩序を乱し他の労働者に悪影響を及ぼす場合
重要な経歴詐称の場合
他の事業へ転職した場合
2週間以上の無断欠勤の場合
出勤不良で数回にわたって注意を受けても改善しない場合
が、この「責に帰すべき事由」に該当するとされています。
ただし、裁判所は、通達に拘束されませんから、この通達に該当するから予告不要とは判断しない方がいいと思います。
また、除外認定を受けるためには、書面審査の他に関係者の事情聴取も行われ、早くても1,2週間はかかります。
あえて除外認定を受ける必要があるか、よく検討された方がいいと思います。

なお、仮に除外認定を受けて解雇予告をしたが、裁判所が「責に帰すべき事由」に該当しないと判断した場合でも、解雇を通告した日から30日経過すれば解雇は有効となります。解雇予告手続きを経ていないということは、解雇を無効にさせる効力はないからです。
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どこの会社でも、一定規模以上の会社なら、必ず一人や二人、周囲と衝突を繰り返す「困ったちゃん」がいるはずです。本人は、「自分が悪いんではなく、周囲の連中が全員性格が悪いんだ」と思っているため、自覚がない。
こういう「困ったちゃん」って、経営サイドからすると、一番手に負えない。「おれのどこが悪いんだ」と開き直られても、解雇するほどの非違はない。性格が悪いということは、解雇理由にならないからです。
こういう「困ったちゃん」に共通なのは、協調性・集団行動能力の欠如という点で、境界性人格障害か自閉症スペクトグラムのなどの精神障がいの疑いがありますが、かといって「精神科に通院しろ」とも言えない。
ただ、過去の裁判例で、あまりに非常識な言動を理由として解雇を認めた判決があります。手におえないほどの「困ったちゃん」なら、以下の判例を参考にして解雇できるか否かを検討されたほうがいいと思います。

セコム損害保険事件-東京地判 平19・9・14

勤続約1年の社員に対し、
① 儀と協調性に欠ける言動・態度により職場の秩序が乱れ、同職場の他の職員に甚大なる悪影響を及ぼしたこと、
② 良好な人間関係を回復することが回復困難な状態に陥っていること、
③ 再三の注意を行ってきたが改善されないこと、
を理由として解雇した事件で解雇が有効と認められた案件です。

この問題社員は、以下の通りの行動をとっています。まあ、これで解雇できなかったら、会社員は何やっても自由という感じですね。解雇は当然でしょう。ただ、こういう社員は、悪いのは周囲だと考えているんで、どうしようもないです。


1、問題社員Aは勤務先Bに入社して間もない平成17年4月6日、職場の長であるCの言動について人事グループのDに宛てて苦情を申し立て、「会社に対し私も相当の考えをもっていこうと考えています。」旨会社の在り方を問うている
2、同年5月23日に上司Cの言動についてB及びDに管理職としての資質をいきなり問うような苦情の電子メールを送信している
3、同年8月8日にもCの職場における言辞について批判する内容の電子メールをDに送信している
4、同年8月12日のCとの保険約款に関する会話内容を報告する中での同人の批判、をしている。
5、社長が、人様の前で頭を下げる日は近い旨を問いかけている。
6、Aは、空調の件で未だ温風が吹き出し口から出ることから暑くて業務に支障があるとして改善要請したのに改善がなされていないことに端を発して上司Cに対して管理職としてのあるべき姿勢を問うている。
その結果、あちこちで上司や同僚と対立している。
会社から翌日に座席を移動するよう指示されたのに対してすみやかに従うことをせず、むしろ自己の考えから移動の必要性がないとして翌日書面でこれを断るなどしている。

その上で問題社員Aによる組織体制を顧みない言動や人間関係を無視した言動であるとして以下のように断じている。
「職場の上司に対する物の言い方というものがあるはずであり、何よりもAにおける入社当初からの自己の考えを前面に出した物の言い方には、およそその職場あるいは会社に適合して職制なり職場の状況の様子を見据え一旦はその環境を受け容れた上で自己の意見の表明とはほど遠く、攻撃性が顕著である。」

こういう思い上がった従業員って、ときどきいますよね。特に経歴や学歴が立派な人に多い。上司よりも自分が優れていると思い込んでいるわけです。「職場の職責上の関係は人間関係の上下ではない」というけど、社会常識というものがありますから。
森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916
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労働契約法第19条は、従前の判例の雇い止め法理を明文化し①有期労働契約であっても雇用の実態が無期労働契約と同じとき、あるいは②同じとは言えないまでも、当然更新してくれると期待するような場合は、労働者が更新してほしいと申し込めば、いくら経営者が拒否しても「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇用期間を期間を含めて従前と同じ条件で、更新したものとみなと規定しています。

売り上げの減少、資金繰りの逼迫から等から経営が厳しくなったとき、経営者としては、どうしても従業員に「悪いけど更新できないよ。次の仕事先探してくれ」と頼むことになります。ただ、優秀でいくらでも転職先のある従業員なら「はい、そうですか」と辞めていくけど、経営者としては、そういう従業員は手放したくない。当然、一番、辞めてもらいたい問題従業員に肩たたきをすることになります。ところがそういう従業員は、自分に「次」がないことを自覚しているから、ユニオンに駆け込みます。そうなるとユニオンの連中が集団で押し掛け、会社の会議室で団交と称して社長を取り囲んで直談判ということになります。
ユニオンと「客観的に合理的な理由」「社会通念上相当」について議論するとおもうと考えただけでぞっとする社長は、しかたなく雇い止めを撤回し、やめてほしくない従業員に辞めてもらうことになります。
これを繰り返すと、問題社員だけが会社に残り会社内部をかき回すだけかきまわすことになり、最後は、会社は疲弊し倒産になります。

まあ、こういう事態を回避するため、契約締結時や更新時に不更新条項(次は更新しない)とか更新限度条項(更新は2回だけ)・更新限度年数条項(3年間だけ)を設ける経営者の方が多いですね。
こういう条項を設けた場合には、労働契約法第19条の適用を排斥できるでしょうか。もし適用を認めると経営者は合理化のために打つ手がなくなるし、かといって適用を否定すると労働契約法第19条が骨抜きになってしまいます。

東京高判24・9・20は
10年以上にわたり反復更新されてきた従業員に対し
リーマンショックにより景気が悪化したため雇用の継続が難しくなったことを説明会で十分に説明し
更新の際は、次で終了する旨の文言が入った契約書を取り交わし
期間満了時に退職届の提出を受けた事案で
労働契約法第19条の適用を排斥しています。

ここからわかるように、従業員に次は更新できないよと事前に告知し、しかも、十分に説明し、従業員も当時は十分納得していた場合は、不更新条項・更新限度条項・更新限度年数等は有効になると思われます。
ただ、この段階で問題従業員がユニオンを連れてきて騒いだら、この不更新条項を入れた契約が締結できません。この場合は、経営の合理化を理由とした解雇に踏み切るか、弁護士と相談されたらいいと思います。

なお、平成12年9月11日労働省労働基準局監督課発表の「有期労働契約の反復更新に関する調査研究会報告」では、無期雇用契約とみなされる可能性が低い有期労働契約は以下の要件とされています。
①業務内容や契約上の地位が臨時的であること又は正社員と業務内容や契約上の地位が明確に相違していること
②契約当事者が有期契約であることを明確に認識していると認められる事情が存在すること
③更新の手続が厳格に行われていること
④同様の地位にある労働者について過去に雇止めの例があること
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