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裁判所からの労働審判の呼び出し、集団で押し寄せるユニオン、身勝手にふるまう問題従業員、等に立ち向かう日本の中小企業経営者支援のためのブロクです。
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森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916
http://www.mori-law-roudou.com/



トラック業界では、中小零細企業などは、経営の合理化という観点から、トラック運転手を「雇用」するのではなく、請負として働いてもらうというパターンが非常に多いです。人員として抱えると、固定費の増大を招き、経営を圧迫するからです。
一方、運転手側からすると、請負となると社会保険等はナイナイづくしになるし、身分も不安定になる。やはり「労働契約」と認定してもらいたいわけです。

中小零細の運送会社では、このトラック持ち込み型が非常に多く、この形態が雇用と認定されてしまうと、多くの中小零細企業が経営難に追い込まれてしまうリスクがありましたが、最高裁は、平成8年11月28日判決で、労災保険上の労働者ではないと判断しています。①専属的に会社の業務に指示し、②何時までに○○に届けよという指示は事実上勤務時間の指示になり③運転手は拒否できかなったとしても、労働者には該当しないと判断しました。理由は以下の通りです。
①指示の内容の拘束性が弱い。 
指示は、何を、どこに、いつまで運べというだけのもので、こういう経路をたどれとか、何時には出発しろなどという指示はなかった。
また、運送を終えて次の運送まで別の仕事を指示されたことはなかった。
②勤務時間なし。
始業時刻・終業時刻がなかった。
その日は、会社によることなく直接運送し、運送業務を終えたら翌日の最初の運送業務の指示を受け、荷積みを終えて帰った。
③報酬は出来高制で拘束時間が基準ではなかった。
④トラック購入代、高速代、ガソリン代等の必要経費は運転手負担だった。
⑤源泉徴収・社会保険と雇用保険の徴収がされていない。

したがって、運転手がユニオンに駆け込んでユニオンが押し掛けてきても、労働者ではないという態度を貫くべきです。ただし、最高裁は、その事案の下での判断にすぎず、事案が異なれば労働者と判断されるリスクもあります。経営者としては、今後持ち込み運転手については、以上の点を意識して「請負」契約を締結する必用があります。
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経営者には団体交渉応諾義務があり、誠実交渉応諾義務がある以上、組合が面談を申し入れる限り、いつまでも団体交渉に応じなければなないのでしょうか?もしそうだとすると、組合は、執拗な団体交渉を繰り返すことで、中小零細企業の経営者を追い詰めることが可能になります。

これについては、株式会社シムラ事件判決は、以下のように述べています。

「労使双方が当該議題についてそれぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くし、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがない段階に至った場合には、使用者として誠実交渉義務を尽くしたといえるのであって、使用者は団体交渉を打ち切っても「正当な理由がなく拒むこと」にはあたらない。」

つまり、打ち切ることができるのは、「それぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くし、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがない段階」です。

具体的には、双方が同じ主張を繰り返すような場合でしょう。こういう場合は、さっさと訴訟を提起し、裁判所の判断を仰ぐべきですが、裁判所に、誠実に団体交渉に応じたことを示すためにも、団体交渉の都度、担当者による議事録・報告書は作成しておいたほうがいいと思います。

組合の了解のもと、録音もしたほうがいいと思いますし、組合が録音する場合は、こちらも対抗策として録音の必要があります。ただ、団交は、たいてい長時間に及ぶので、裁判官に聞いてもらうのは現実的ではありません。担当者による議事録・報告書の正確性を裏付けるものと認識しておいたほうがいいでしょう。
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Ⅰかって労働組合の活動は、企業敷地内でのビラ貼りや集会が中心で、さらにはストライキ(労働者がその要求を貫徹するために、集団的に仕事を放棄すること)にも突入した。

しかし、今は、もうそんな時代ではない。企業間の競争が激しい現代では、企業内での労使紛争は、互いの脚をひっぱりあうだけで、最終的には労働者全体に不利益な結果になる。ストライキなど実行したら、笑うのは労働者ではなく、同業他社だ。今は、職場内でのストライキなど、もうほとんど見かけない。

しかし、ユニオンの登場で、今、このストライキが形を変えて問題になっている。

ユニオンに駆け込む労働者は、その職場の代表ではなく、その職場で孤立している人が多い。解雇された労働者は、本来は、仲間と共に戦うものだが、同僚からも孤立しているので、誰も助けない。他の同僚は、内心、ようやく、あいつの顔をみないですむ、と喜んでいる。そこで、その労働者は、ユニオンに駆け込む。

しかし、ユニオンは、部外者であるから、職場内には立ち入れない。そこで、ユニオンは、ストライキとして、しばしば街宣活動を行うことになる。○〇会社の不当解雇撤回とか、○〇会社はひどい、として、会社付近でビラまきをしたり、街宣車に乗って会社前におしかけ、大音量で○〇は解雇を撤回せよと騒ぐ。職場外の行為であり、これにより、会社の業績に影響を与え、他の労働者に迷惑をかけることになる可能性があるが、そういう点は全く意に介さない。しかも、場合によっては、社長個人の自宅まで押しかけ、社長個人の住所や電話番号を書いたビラをまいて街宣活動をする。(旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件)

自分などは、これは、右翼の街宣車とどう違うのか疑問だが、ユニオンは、これも正当な組合活動だとしている。(違法とした判例を批判しているので、今でも、正しいと思っているのでしょう)

その一つの例として、旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件がある。

事案の概要は

①会社が某労働者を解雇し、解雇された労働者がユニオンに駆け込み、ユニオンが団体交渉を申し入れた。

②会社は団体交渉に応ずる意図はあったが、ユニオンは、社長は必ず出席しろ、弁護士の同席は認めないと通告した。

③会社は、当然ながら、これを拒否し、団体交渉は行われていない。

④そこで、ユニオンは、会社付近ばかりか社長個人自宅付近まで「社長は団体交渉に応じないで逃げ回っている」「不当解雇撤回」などと社長個人の自宅で、住所と電話番号を書いたビラをまき、閑静な住宅街で拡声器を使って演説をした。

⑤会社側は、解雇の有効性の確認を裁判所に求め、一審、二審、最高裁といずれも、解雇には合理性があると認められた。

⑥ところが、ユニオンは、判決確定後も、街宣活動を繰り返している。

こういう事案で、東京地裁は、労組の街宣活動の差し止めっと損害賠償を認め、これは、最高裁で確定した。で、これについて、表現の自由を害する、憲法違反だ、として、ユニオンは、また街宣活動をするわけです。

旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件の判決か

個人的な見解だが、自分の経験では、一口にユニオンといっても、担当者の個性は様々で、温厚な人もいれば、闘争的な人もいる。中には、完全に利益追求型みたいな人もいる。したがって、ひとまとめでユニオンはこうだ、と決めつけるのはおかしい。ただ、中には、こういうすごいユニオンもいるということは認識しておいたほうがいい。

さて、街宣車で閑静な住宅街に乗り付け、拡声器で演説をし、社長個人の自宅と電話番号を書いたビラをまき、それも、表現の自由だと主張したが、東京地裁は、以下のように断じている。

まず第一の論点、ユニオンが社長個人の自宅に押しかけ街宣活動をしたことについて、第一審の東京地裁は、以下のように述べている。

「労使関係の場で生じた問題は,労使関係の領域である職場領域で解決すべきであり,企業経営者といえども,個人として,住居の平穏や地域社会における名誉・信用が保護尊重されるべきであるから,労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及ばないと解するのが相当である。したがって,労働組合の活動が企業経営者の私生活の領域において行われた場合には,当該活動は労働組合活動であることのゆえをもって正当化されるものではなく,それが,企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて,表現の自由の行使として相当性を有し,容認されることがあるにとどまるものと解するのが相当である。」

「したがって,企業経営者は,自己の住居の平穏や地域社会における名誉・信用が侵害され,今後も侵害される蓋然性があるときには,これを差し止める権利を有しているというべきである。」

ちなみに、この判決は最高裁でも支持されたが、ユニオン側は、いまだに、この判決を労働者の団結権と表現の自由を侵害する判決だという評価は変えていないから、注意した方がいい。

第二の論点 解雇の有効性が確定したのちも、街宣活動を続けたことについて東京地裁は、以下のように述べている。

「別件訴訟により,原告会社・被告乙山間に雇用関係のないことが公権的に確定し,法的には本件解雇に関する紛争は解決されて,以後被告組合は原告会社に対する団体交渉権を失っているのであるから,被告組合に対し,一般人には認められない労働組合がゆえの特別の免責事由等を認める余地はなく,前記真実性・相当性の抗弁が立証することができた場合に限って,名誉・信用の毀損及び平穏に営業活動を営む権利を侵害したことに対する免責を認めることができるというべきである。」

「被告X1 は,原告会社より勤務成績不良等を理由に普通解雇され,被告組合の支援のもとこれを争ったものの,前訴である別件訴訟において,本件解雇は有効である旨判断されていることが認められるのであるから,原告会社が,リストラの名の下に見せしめとして,本来は解雇すべき理由がないにもかかわらず「業務成績不良」を解雇理由としてでっちあげて被告Y1 を解雇したとの事実,換言すれば,本件解雇が不当であることは到底真実であるとはいえないし,被告らにおいて,この点について,真実であると信ずるにつき相当な理由があると認めることもできない。」

「前記各ビラの記載内容は,専ら原告会社に対し本件解雇の撤回を求めるものであるし,被告らは,今後も,原告会社が本件解雇を撤回するまでは原告会社に対する街宣活動を続ける方針であるとしているのであるから,これらの事実に照らすと,被告らの前記街宣活動の動機は,主として,原告会社に本件解雇を撤回させて被告X1 の職場復帰を図ることにあるといわざるを得ず,「専ら公益を図る目的」に出たものとは認め難いし,その記載内容が「公共の利害に関する事実」といえるかについても疑問が存するといわざるを得ないとろである。」

「したがって…被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,いずれも「公共の利害に関する事実」に係り,「専ら公益を図る目的」に出たものであると認めることは困難であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。」
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ユニオンは、企業に関するあらゆる事項について団体交渉を求めることができますが、使用者は、そのうち義務的団体交渉事項についてだけ団体交渉に応ずる義務がありますが、それ以外は、団体交渉に応ずる必用はありません。

経営者に団体交渉応諾義務のない事項の典型例は、経営判断事項です。経営者は、企業の経営について最終的にリスクを負う立場にあり、働けば必ず給与をもらえる労働者とは、その立場を異にします。当然、経営者は、経営判断事項について自由に判断でき、リスクを負わない労働者は、経営判断事項については関与できません。仮にユニオンが経営判断事項を団体交渉しようとしても、使用者は拒否できます。

しかし、ある事項が経営判断事項か義務的団体交渉事項かとなると、必ずしも明確な一線が引かれるわけではありません。

例えば、多店舗展開をするか否かの判断は経営判断事項ですが、労働者をその展開する多店舗に、どういう条件で勤務させるかとなると義務的団体交渉事項になります。

義務的団体事項は、

組合員である労働者に労働条件その他の待遇 または 当該団体的労使関係の運営に関する事項であって

使用者に処分可能なもの

といわれていますから、個々のケースに、この定義を当てはめて判断するしかありません。
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普通、団体交渉の相手方は直接の雇用主です。まあ、これは当然の話です。

しかし、現実の社会では、雇用主以外にも、雇用関係に影響力を持つ会社は、あります。例えば、親会社。子会社の社長は、形式的には社長だけど、実際は、親会社だと課長クラスで、人事等重要事項は全て親会社が決めている。こういう例は、少なからずあります。

そうすると、子会社の社長相手に団体交渉したって、何の意味もない。親会社と子会社を一体としてみれば、実体は一つの会社で、子会社の社長は、組織全体としてみれば、課長クラスにすぎないからです。

こういう場合、親会社にユニオンから団体交渉の申し入れがあれば、これに応ずる義務があります。

しかし、親会社とか系列会社といっても、色々な関係があり、単に資本提携があるだけで、親会社は、子会社の運営に口出しをしていないという場合もあります。こういう場合には、ユニオンから団体交渉の申し入れがあっても、これに応ずる義務はありません。

じゃあ、その線引きはどうするんだということが当然問題になります。

これについては、最高裁H7・2・28が、朝日放送事件で以下のように述べています。

「使用者とは労働契約法上の雇用主を言う。

しかし、雇用主以外の事業主であっても、雇用主から労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、

① その労働者の基本的な労働条件について、

② 雇用主と部分的とはいえ同視できる程度の現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位

にある場合には、その限りにおいて、右事業主は同乗の使用者に当たる。」

つまり、

① 基本的な労働条件について、影響力があることが必要で、附随的なお同条件についてしか影響力がない場合は、ユニオンの団体交渉の対象にはなりません。

② 支配力のレベルは、雇用主と同程度であることが必要で、例えば、親会社が子会社に対する全体的な経営方針を示し、子会社がその方針に従うという程度では問題外で、個々の労働条件に付いて関与し、子会社も従わざるを得ず、これまでも従ってきた実績が必要です。

ユニオンは、団体交渉を有利に進めるため、支配力がないとしても、わざと親会社や関係会社に団体交渉を申し入れることがあります。要求に応じなければ、おまえらの関係会社を巻き込んでやるぞ、という一種の脅しです。

こういう場合は、ユニオンの団体交渉の申し入れに対しては、まず、なぜ、「その労働者の基本的な労働条件について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度の現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある」と考えるのか、その理由と根拠を示してもらいたいと書面で回答を求めるべきです。

もちろん、子会社の担当者は「親会社に聞いてみる」なんて絶対にいわないことです。

同様の問題は、派遣先に対する団体交渉でも言えます。労働条件を決めるのは派遣元だから、派遣先は団体交渉の相手方にはなりえない。しかし、派遣元が「その労働者の基本的な労働条件について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度の現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位」にある場合には、団体交渉の相手方になります。もっとも、派遣先が、「雇用主と部分的とはいえ同視できる程度の現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位」にある場合など、めったにないはずです。
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