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裁判所からの労働審判の呼び出し、集団で押し寄せるユニオン、身勝手にふるまう問題従業員、等に立ち向かう日本の中小企業経営者支援のためのブロクです。
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Ⅰかって労働組合の活動は、企業敷地内でのビラ貼りや集会が中心で、さらにはストライキ(労働者がその要求を貫徹するために、集団的に仕事を放棄すること)にも突入した。

しかし、今は、もうそんな時代ではない。企業間の競争が激しい現代では、企業内での労使紛争は、互いの脚をひっぱりあうだけで、最終的には労働者全体に不利益な結果になる。ストライキなど実行したら、笑うのは労働者ではなく、同業他社だ。今は、職場内でのストライキなど、もうほとんど見かけない。

しかし、ユニオンの登場で、今、このストライキが形を変えて問題になっている。

ユニオンに駆け込む労働者は、その職場の代表ではなく、その職場で孤立している人が多い。解雇された労働者は、本来は、仲間と共に戦うものだが、同僚からも孤立しているので、誰も助けない。他の同僚は、内心、ようやく、あいつの顔をみないですむ、と喜んでいる。そこで、その労働者は、ユニオンに駆け込む。

しかし、ユニオンは、部外者であるから、職場内には立ち入れない。そこで、ユニオンは、ストライキとして、しばしば街宣活動を行うことになる。○〇会社の不当解雇撤回とか、○〇会社はひどい、として、会社付近でビラまきをしたり、街宣車に乗って会社前におしかけ、大音量で○〇は解雇を撤回せよと騒ぐ。職場外の行為であり、これにより、会社の業績に影響を与え、他の労働者に迷惑をかけることになる可能性があるが、そういう点は全く意に介さない。しかも、場合によっては、社長個人の自宅まで押しかけ、社長個人の住所や電話番号を書いたビラをまいて街宣活動をする。(旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件)

自分などは、これは、右翼の街宣車とどう違うのか疑問だが、ユニオンは、これも正当な組合活動だとしている。(違法とした判例を批判しているので、今でも、正しいと思っているのでしょう)

その一つの例として、旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件がある。

事案の概要は

①会社が某労働者を解雇し、解雇された労働者がユニオンに駆け込み、ユニオンが団体交渉を申し入れた。

②会社は団体交渉に応ずる意図はあったが、ユニオンは、社長は必ず出席しろ、弁護士の同席は認めないと通告した。

③会社は、当然ながら、これを拒否し、団体交渉は行われていない。

④そこで、ユニオンは、会社付近ばかりか社長個人自宅付近まで「社長は団体交渉に応じないで逃げ回っている」「不当解雇撤回」などと社長個人の自宅で、住所と電話番号を書いたビラをまき、閑静な住宅街で拡声器を使って演説をした。

⑤会社側は、解雇の有効性の確認を裁判所に求め、一審、二審、最高裁といずれも、解雇には合理性があると認められた。

⑥ところが、ユニオンは、判決確定後も、街宣活動を繰り返している。

こういう事案で、東京地裁は、労組の街宣活動の差し止めっと損害賠償を認め、これは、最高裁で確定した。で、これについて、表現の自由を害する、憲法違反だ、として、ユニオンは、また街宣活動をするわけです。

旭ダイヤモンド工業対東京中部地域労働者組合事件の判決か

個人的な見解だが、自分の経験では、一口にユニオンといっても、担当者の個性は様々で、温厚な人もいれば、闘争的な人もいる。中には、完全に利益追求型みたいな人もいる。したがって、ひとまとめでユニオンはこうだ、と決めつけるのはおかしい。ただ、中には、こういうすごいユニオンもいるということは認識しておいたほうがいい。

さて、街宣車で閑静な住宅街に乗り付け、拡声器で演説をし、社長個人の自宅と電話番号を書いたビラをまき、それも、表現の自由だと主張したが、東京地裁は、以下のように断じている。

まず第一の論点、ユニオンが社長個人の自宅に押しかけ街宣活動をしたことについて、第一審の東京地裁は、以下のように述べている。

「労使関係の場で生じた問題は,労使関係の領域である職場領域で解決すべきであり,企業経営者といえども,個人として,住居の平穏や地域社会における名誉・信用が保護尊重されるべきであるから,労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及ばないと解するのが相当である。したがって,労働組合の活動が企業経営者の私生活の領域において行われた場合には,当該活動は労働組合活動であることのゆえをもって正当化されるものではなく,それが,企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて,表現の自由の行使として相当性を有し,容認されることがあるにとどまるものと解するのが相当である。」

「したがって,企業経営者は,自己の住居の平穏や地域社会における名誉・信用が侵害され,今後も侵害される蓋然性があるときには,これを差し止める権利を有しているというべきである。」

ちなみに、この判決は最高裁でも支持されたが、ユニオン側は、いまだに、この判決を労働者の団結権と表現の自由を侵害する判決だという評価は変えていないから、注意した方がいい。

第二の論点 解雇の有効性が確定したのちも、街宣活動を続けたことについて東京地裁は、以下のように述べている。

「別件訴訟により,原告会社・被告乙山間に雇用関係のないことが公権的に確定し,法的には本件解雇に関する紛争は解決されて,以後被告組合は原告会社に対する団体交渉権を失っているのであるから,被告組合に対し,一般人には認められない労働組合がゆえの特別の免責事由等を認める余地はなく,前記真実性・相当性の抗弁が立証することができた場合に限って,名誉・信用の毀損及び平穏に営業活動を営む権利を侵害したことに対する免責を認めることができるというべきである。」

「被告X1 は,原告会社より勤務成績不良等を理由に普通解雇され,被告組合の支援のもとこれを争ったものの,前訴である別件訴訟において,本件解雇は有効である旨判断されていることが認められるのであるから,原告会社が,リストラの名の下に見せしめとして,本来は解雇すべき理由がないにもかかわらず「業務成績不良」を解雇理由としてでっちあげて被告Y1 を解雇したとの事実,換言すれば,本件解雇が不当であることは到底真実であるとはいえないし,被告らにおいて,この点について,真実であると信ずるにつき相当な理由があると認めることもできない。」

「前記各ビラの記載内容は,専ら原告会社に対し本件解雇の撤回を求めるものであるし,被告らは,今後も,原告会社が本件解雇を撤回するまでは原告会社に対する街宣活動を続ける方針であるとしているのであるから,これらの事実に照らすと,被告らの前記街宣活動の動機は,主として,原告会社に本件解雇を撤回させて被告X1 の職場復帰を図ることにあるといわざるを得ず,「専ら公益を図る目的」に出たものとは認め難いし,その記載内容が「公共の利害に関する事実」といえるかについても疑問が存するといわざるを得ないとろである。」

「したがって…被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,いずれも「公共の利害に関する事実」に係り,「専ら公益を図る目的」に出たものであると認めることは困難であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。」
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