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裁判所からの労働審判の呼び出し、集団で押し寄せるユニオン、身勝手にふるまう問題従業員、等に立ち向かう日本の中小企業経営者支援のためのブロクです。
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森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916
http://www.mori-law-roudou.com/


管理職待遇の職員が辞めたと思ったら、ユニオンを連れてきて残業代を支払えと請求されたとしたら、会社の社長は二重にショックでしょう。せっかく才能を見込んで管理職に引き上げたのに会社をやめ、しかも、ユニオンを連れてきて会社に噛みついた、これが第一のショック。それと、これで残業代を支払えとなったら、他の管理職にも残業代を支払うことになり会社経営が成り立たなくなる、これが第二のショックで、特に後者のショックは、深刻です。弊所でも、この残業代問題が引き金となって倒産に追い込まれた中小企業を知っています。

名ばかり管理職か否かについては、厚生労働省が通達を出しています。通達は、「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗」を対象にしていますが、どの案件にもあてはまるものです。経営者は、この通達を十分吟味して、資金繰りを勘案しつつ、残業代問題の対策を建てるべきでしょう。

通達の全文は、以下の通りですが、ポイントは以下の3点です。
1.職務内容、責任と権限
  アルバイトなどの採用に責任と権限がない
2.勤務態様
  遅刻、早退などで不利益な取り扱いをされる
3.賃金等の待遇
  サービス残業時間を勘案した時給換算でアルバイトの賃金に満たない
ただし、このうち1つでも該当すれば管理監督者にならないわけではなく、また、どれも当らないから大丈夫というわけではなく、他の要素を含め総合的に判断するとしています。

    記

多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の
範囲の適正化について

小売業、飲食業等において、いわゆるチェーン店の形態により相当数の店舗を展開して事業活動を行う企業における比較的小規模の店舗においては、店長等の少数の正社員と多数のアルバイト・パート等により運営されている実態がみられるが、この店舗の店長等については、十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず労働基準法(昭和22年法律第49号)第41条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。)として取り扱われるなど不適切な事案もみられるところである。
店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かについては、昭和22年9月13日付け発基第17号、昭和63年3月14日付け基発第150号に基づき、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者であって、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にあるかを、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえ、総合的に判断することとなるが、今般、店舗の店長等の管理監督者性の判断に当たっての特徴的な要素について、店舗における実態を踏まえ、最近の裁判例も参考として、下記のとおり整理したところである。ついては、これらの要素も踏まえて判断することにより、店舗における管理監督者の範囲の適正化を図られたい。
なお、下記に整理した内容は、いずれも管理監督者性を否定する要素に係るものであるが、これらの否定要素が認められない場合であっても、直ちに管理監督者性が肯定されることになるものではないことに留意されたい。

1 「職務内容、責任と権限」についての判断要素
店舗に所属する労働者に係る採用、解雇、人事考課及び労働時間の管理は、店舗における労務管理に関する重要な職務であることから、これらの「職務内容、責任と権限」については、次のように判断されるものであること。
(1) 採用
店舗に所属するアルバイト・パート等の採用(人選のみを行う場合も含む。)に関する責任と権限が実質的にない場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。
(2) 解雇
店舗に所属するアルバイト・パート等の解雇に関する事項が職務内容に含まれておらず、実質的にもこれに関与しない場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。
(3) 人事考課
人事考課(昇給、昇格、賞与等を決定するため労働者の業務遂行能力、業務成績等を評価することをいう。以下同じ。)の制度がある企業において、その対象となっている部下の人事考課に関する事項が職務内容に含まれておらず、実質的にもこれに関与しない場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。
(4) 労働時間の管理
店舗における勤務割表の作成又は所定時間外労働の命令を行う責任と権限が実質的にない場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。

2 「勤務態様」についての判断要素
管理監督者は「現実の勤務態様も、労働時間の規制になじまないような立場にある者」であることから、「勤務態様」については、遅刻、早退等に関する取扱い、労働時間に関する裁量及び部下の勤務態様との相違により、次のように判断されるものであること。
(1) 遅刻、早退等に関する取扱い
遅刻、早退等により減給の制裁、人事考課での負の評価など不利益な取扱いがされる場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。
ただし、管理監督者であっても過重労働による健康障害防止や深夜業に対する割増賃金の支払の観点から労働時間の把握や管理が行われることから、これらの観点から労働時間の把握や管理を受けている場合については管理監督者性を否定する要素とはならない。
(2) 労働時間に関する裁量
営業時間中は店舗に常駐しなければならない、あるいはアルバイト・パート等の人員が不足する場合にそれらの者の業務に自ら従事しなければならないなどにより長時間労働を余儀なくされている場合のように、実際には労働時間に関する裁量がほとんどないと認められる場合には、管理監督者性を否定する補強要素となる。
(3) 部下の勤務態様との相違
管理監督者としての職務も行うが、会社から配布されたマニュアルに従った業務に従事しているなど労働時間の規制を受ける部下と同様の勤務態様が労働時間の大半を占めている場合には、管理監督者性を否定する補強要素となる。

3 「賃金等の待遇」についての判断要素
管理監督者の判断に当たっては「一般労働者に比し優遇措置が講じられている」などの賃金等の待遇面に留意すべきものであるが、「賃金等の待遇」については、基本給、役職手当等の優遇措置、支払われた賃金の総額及び時間単価により、次のように判断されるものであること。
(1) 基本給、役職手当等の優遇措置
基本給、役職手当等の優遇措置が、実際の労働時間数を勘案した場合に、割増賃金の規定が適用除外となることを考慮すると十分でなく、当該労働者の保護に欠けるおそれがあると認められるときは、管理監督者性を否定する補強要素となる。
(2) 支払われた賃金の総額
一年間に支払われた賃金の総額が、勤続年数、業績、専門職種等の特別の事情がないにもかかわらず、他店舗を含めた当該企業の一般労働者の賃金総額と同程度以下である場合には、管理監督者性を否定する補強要素となる。
(3) 時間単価
実態として長時間労働を余儀なくされた結果、時間単価に換算した賃金額において、店舗に所属するアルバイト・パート等の賃金額に満たない場合には、管理監督者性を否定する重要な要素となる。
特に、当該時間単価に換算した賃金額が最低賃金額に満たない場合は、管理監督者性を否定する極めて重要な要素となる。
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森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916
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サービス残業が話題になり、一部の弁護士が「過払い金の次は残業代だ」として盛んに「残業代を請求しよう!」という広告を繰り返しています。
ただ、サービス残業も切実な問題ですが、同時に無駄な残業も切実な問題です。

ようやく辞めてくれた問題社員が、ユニオンを連れてきて「残業代を支払え。労働基準監督署に駆け込むぞ」なんて脅かされている社長がいます。「えー、残業?あいつ、いつの間にそんな残業していたんだ?大体、割り当てられた仕事の量からして残業なんか必要なのか?」とびっくりしても、あとの祭り。そういう社員は、ちゃんと証拠をしっかりと持って辞めているから、ユニオンから「労基に駆け込むぞ」と脅されたら、もう白旗をあげるしかありません。

こういう場合に備えて、普段から無駄な残業代をなくす対策をとっておく必要があります。

もともと残業というのは、三六協定に基づき、会社の指示で行うもので、従業員はイヤイヤ残業をするというのが法の建前になっています。つまり、会社の指示があり、それに従業員がしたがって定刻後も、しょうがなく働く、だから割増賃金を支払えという制度です。
しかし、実際は、いちいち残業を指示する会社などはなく、仕事のやり残しがあれば従業員は勝手に会社に残って働き会社も残業代を支払います。
これを逆手にとって無駄な残業をする問題社員が出現するわけです。会社全体でだらだらと仕事がしてしまうという会社もあります。

これを放置すると、人件費の高騰を招き、会社経営を圧迫し、資金繰りで追い詰められてしまいます。

会社としては、もしユニオンかなんが来て騒いでも「うちは残業しろとはいっていない、いつ言ったんだ?」と反論すればユニオンを撃退できると思い込んでおられる社長がいます。それで、会社側の弁解で一番多いのが、「勝手に残業した」という主張。

しかし、ほとんどの場合、こういう主張しても無駄で、「黙示的な指示があった」と認定されてしまいます。
これを阻止するためには、会社として、残業を禁止するとか事前に会社の承諾をもらうという制度にしておく必要があります。いざとなったら、禁止命令を出していたとか、事前の承諾がなかったという弁解が通ることになります。

じゃあ、そういう制度にすればユニオンが来て騒いでも大丈夫かというとそうはいかない。残業禁止令を出す前提として、その担当社員の業務量が残業なんかする必要のない業務量であることが必要です。つまり、「現実に残業をせずに職務遂行が可能だったか否か」という点がポイントです。

最判H19・10・19は、住み込みのマンション管理人が平日は夫婦で、土曜日は一人で仕事をする制度になっていたが、日曜日も夫婦で働いていたとして残業代の請求をした事件で「土曜日の業務量が一人では処理できないようななものであったともいえない」(一人で十分なはずだ)として、残業代請求を認めていません。
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