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裁判所からの労働審判の呼び出し、集団で押し寄せるユニオン、身勝手にふるまう問題従業員、等に立ち向かう日本の中小企業経営者支援のためのブロクです。
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森法律事務所は、使用者側から、解雇・残業代請求・ユニオン対策・労働審判等の法律相談・ご依頼を承っております。特にユニオン対策、問題社員対策には自信があります。いつでも、お気軽にメール・電話をください 03-3553-5916
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会社が従業員に懲戒処分を下すとき、弁明の機会、つまり反論・言い訳の機会を与えるべきかという重大な問題があります。

まず就業規則・労働協約上に「弁明の機会を与えよ」という規定がある場合、これは、自分で定めた規則ですから、当然、弁明の機会を与えるべきであり、これに違反したら、就業規則違反又は労働協約違反として、懲戒処分は無効になると思われます。
おそらく、多くの中小企業の社長は、就業規則なんか市販されている一般的な書式を使っており、内容を確認したことなんか、あんまりないと思いますが、問題社員に処分を下すときは、必ず自社の就業規則には目を通してください。忙しくて見落としたという言い訳は通用しません。

もし規則が「弁明の機会を与えよ」という義務付けをしておらず、弁明の機会を「与えることができる」という規則になっていたときはどうでしょう?
「懲戒委員会を設けることがある」という規則があるケースで、懲戒委員会の付議を経ずになされた懲戒解雇を合法とした裁判例があります(東京地判平4・9・18、大阪地決平6・3・31)。
ただし、これは、それまで懲戒委員会が開かれたことがなかったという事情や、処分に至るまでの労使協議の経過なども加味して判断しており、ケースによっては無効になる可能性があります。

就業規則・労働協約に規定がない場合はどうでしょう?こういう場合でも、やはり、弁明の機会を与えずなされた懲戒処分は無効でしょうか?
これについては、労働法の権威菅野先生は「特段の支障がない限り、本人に弁明の機会を与えることが要請される。これらの手続的正義に反する懲戒処分も、ささいな手続上の瑕疵にすぎない場合でないかぎり、懲戒権の濫用となるというべきである。」(菅野和夫著「労働法)と述べておられます。①特段の支障がある場合と、②ささいな手続上の瑕疵にすぎない場合は有効になることになりますが、レアケースでしょうから、ほとんど無効になるという見解でしょう。

逆に裁判官が書かれた書籍を見ると、「もっぱら手続に問題があるというだけの理由で、懲戒処分が違法になるという結論を採るという立場には、にわかには賛同しがたい」(渡辺弘著「労働関係訴訟」)という意見もありますが、裁判例は見解が分かれており、無効とする判例と有効とする判例があります。
実務的には、瑕疵の程度・労働者の有責性・解雇を有効・無効とした場合の影響等を総合的に判断し、ケースバイケースで判断しているといえましょう。

弁護士のアドバイスとしては、弁明の機会を与えるべきだということになります。与えておけば、後に懲戒解雇の無効性が争われたとき、相手の反論材料の一つを封ずることができるからです。

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